2016/08/02
●今回は、草屋根に挑戦しました! その様子をご紹介しますのでどうぞご覧ください。
ガルバニウム鋼板屋根の上から、屋根を傷めない様 下地に 防水シートとルーフィングを敷き、その上に 土止・保水板の金物を 水がゆっくりと流れ落ちる様 互い違いに 間隔を開けて固定し、そこへパーライトを混ぜた土を10㎝の厚みで載せていきます。パーライトを混ぜる事で、保水力アップと土の重さを軽減しています。(ちなみに防根シートは敷いておりません)やり方は他にも様々ありますが、今回はこの方法でやってみました♪
屋根の上に土を載せ、レーキや熊手などで平らになるように均していきます。土が平らになったら、そこへ芝生を馬目地に敷いていきます。この時 マットタイプの芝は1枚が小さく軽い為、土と密着する様に 上からしっかりと踏んでいきます。今回 屋根に採用した芝生は、踏み付けや寒さに強い 鹿児島産の野芝という 芝生を選びました。
芝生を敷き詰めると、今度は目地や芝生の上から土を載せて 目土をしていきます。芝生を乾燥から守る為に必要な作業となります。最後に一番重要な水やりですが、今の時期は 早朝と夕方に15分から20分位ひたひたとたっぷりとあげる事が大事です。(逆にこの時期の昼間の水やりは、暑さで熱湯になって芝が枯れるので避けましょう!)
今まで殺風景だった金属の屋根が、活き活きとした緑に覆われ 目にも優しい屋上庭園に♬
実際、芝生の上に乗ってみると ふかふかと気持ちよくて 心も和みますよ(^_^)v
草屋根の目的として、室内環境の向上があげられます。ある大学の先生が室内外の温度を測定して解析した結果、緑化した屋根は アスファルトシングル葺きの屋根に比べ、真夏に 屋根からの侵入熱量が20分の1になるという結果が得られたそうです。また 冬の寒さはもちろん、夏の日差しが強く 暑さの厳しいノルウェーの伝統的な住まいは、日本と同じ木の住まいです。壁は丸太を積み重ねた校倉造、屋根はシラカバなどの樹皮を敷き、土を載せ芝を植えた草屋根です。夏は草の蒸散作用で室内を涼しく保ち、冬は断熱材の役割をはたして寒さを緩和するのです。
草屋根と土壁の家はエアコン知らずと言われますが、実際 事務所の屋根を緑化してみて 熱量が今までと違う事を体感出来ました!
これからの住宅は 風の通りを考えて窓を配置したり、庭に池やビオトープを作って 水で冷やされた風を室内に取り入れるなど 自然をうまく取入れ、尚且つ断熱効果の高い材料を使用してゼロエネルギーを意識した住宅づくりを目指していかなければ!! と、草屋根を通して再認識しました。新築は勿論、リフォームにも うまく取り入れると 今よりもっと快適に過ごせると思います♪
近年、地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象などの問題に対して 屋根緑化が有効であるとされ、自治体によっては助成金や補助金制度が設けられている様です。但し、工事着手前に交付申請を行うことや 屋上部分の3平方メートル以上を緑化することなどの条件があるそうです。
ただ残念なことに、交野市を含む大阪府下では 個人宅の屋上緑化に対する補助金制度は まだ設けられていないとの事でした。将来的にはこういった補助金制度も出てくると思われるので、工事を検討される際は ぜひ一度 お住いのある自治体の方へ問い合わせてみてくださいね(^_^)/
ちなみに 上記で ゼロエネルギーという言葉を使いましたが、
いわゆるゼロエネ住宅の事ではありませんので悪しからず。<(_ _)>
※ゼロエネルギー住宅とは 断熱仕様、省エネ設備(エコキュート・床暖房・LED・エネルギー計測装置)、省エネシステム(自然エネルギーを利用した設計手法)、創エネシステム(太陽光・蓄熱電池)などをうまく取入れた住宅の事。主に新築の場合を指す。
※経済産業省による「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」とは、
2030年に住宅のネット・ゼロ・エネルギー化 ゼロエネ化を目指すため、ゼロエネ化を導入する住宅の建築主・所有者を対象に補助金を支給する制度です。また補助の対象になるのは、ゼロエネ住宅の設備費・工事費の50%以内、350万円が上限とされています。但し、補助金を受けるためには定められた要件を満たすことが必要とあります。
政府が推進する「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」の補助金を申請する条件に、機械力だけに依存しないで自然エネルギーを取り入れた先進性のある設計手法・制御機構が特徴的に掲げられているそうです。元は 原子力発電への不安と、電力不足が引き起こす深刻な事態を目の当たりにした事、地球環境への配慮が 日本の住宅事情に変化をもたらす一因となった様です。
※ゼロエネ住宅の定義とは
「省エネによって消費するエネルギー量を減らすこと」
「消費したエネルギーと同等のエネルギーを作り出すこと」
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「省エネの工夫で消費エネルギーを減らし、使うエネルギーは自ら作り出す住宅」となる様です。
詳しくは経済産業省ホームページでご確認ください。(^_^)/